INFPの性格・特徴
INFJは自分の内側から生じる強力なインスピレーションによって、直感的に物事の本質を見抜き、確固たるビジョンを描くという預言者のようなタイプです。
また、INFJは自身の中で辿り着いた結論を周囲の人のために役立てようとする思いが強く、他者のことをとても大切にするという特徴があります。
INFJはたびたび精神世界の覇者と言われており、彼らの内側から見抜いた真理は実に壮大かつ難解であることが多いです。
INFJは他者との交流や様々な体験からインスピレーションを得て内省し、突然現れる創造的なひらめきから深い真理に到達します。
ただしINFJの本質を見抜く力は確かなものですが、本人すらも結論に対する客観的な理由が分からないことが多く、周囲の人から理解を得られないこともあるでしょう。
しかしINFJの本気で他者を思いやる純粋な心や、理想のために邁進する誠実な姿勢が次第に周囲の人々を魅了し、次第に真理を見抜いた斬新なアイデアが周囲の賛同を得て評価され、気付けばINFJの周りにはたくさんの人が集まっていた、ということも珍しくありません。
INFJはまだ自分のアイデアが不完全と思われる際は静かな場所で一人の時間を確保して思索に耽り、アイデアを自己の中で完全なものとして成熟させてから他者に伝えるという内向的な特徴があります。
INFJは想像力が豊かで、物事を大枠で捉えてそれらの関連性や結末を推測することも得意です。
想像力は人の気持ちにも向いているためコミュニケーション能力と共感力が高く、相手がどのような感情で過ごしているかなどを敏感に捉えて相手の心を解きほぐす、カウンセラーのような行為を自然に行うことができるでしょう。
INFJは外的な刺激に対してとても過敏で、疲れを感じやすく繊細という一面があります。そのため大人数の集まりや騒がしい場所で長時間過ごすと身も心も疲弊し、一人の時間を作るために引きこもりたくなるときがあるでしょう。
またINFJはその繊細さゆえに少数の信頼できる仲間と狭く深い関係を作り、それを大切にするという特徴もあります。
INFJの心理機能
心理機能とは
ユングが定めた意思判断、
情報受容のための8つの機能のことを心理機能と呼びます。
意思判断のための機能が「感情(F)」と「思考(T)」、 情報受容のための機能が「直感(N)」と「感覚(S)」 と定義されており、 それぞれ内向と外向の2種類ずつが存在し合計8種類となっていま す。MBTIやタイプ論では、 それらの心理機能をどのような組み合わせで持っているかでタイプ 分けをしています。各タイプは「感情(F)」「思考(T)」「直感(N)」「感覚(S)」 の心理機能を得意な順に4つ有していて、 4つの順番には得意な順に「優勢機能」、「補助機能」、「 代替機能」、「劣等機能」と名付けられています。また、「 優勢機能」と「劣等機能」、「補助機能」と「代替機能」 はそれぞれ正反対の心理機能がセットになると定義されています。
優勢機能が内向的◯◯であるタイプは始めに「I(introverted)」が付く内向型で、 逆に優勢機能が外交的◯◯であるタイプは始めに「E( extrovert)」の付く外向型になります。
INFJは優勢機能に情報受容機能の役割を担う内向的直感(Ni)を持っており、補助機能以降は外向的感情(Fe)、内向的思考(Ti)、外向的感覚(Se)、という順に心理機能を有しています。
- 優勢機能・・・内向的直観(Ni)
- 補助機能・・・外交的感情(Fe)
- 代替機能・・・内向的思考(Ti)
- 劣等機能・・・外交的感覚(Se)
INFJの心理機能について更に詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
INFJのキャラクター
https://cdn.wikiwiki.jp/
- ラクス・クライン(ガンダムSEED)
- 竜ヶ峰帝人(デュラララ!!)
- マキマ(チェンソーマン)
- うちはイタチ(NARUTO)
- 衛宮切嗣(Fate/zero)
- ワットソン(Apex Leghends)
- グラスワンダー(ウマ娘)
強烈なカリスマ性と繊細な心を持っていて正義側と悪側どちらかの象徴になることも多く、作品ごとに役の振れ幅が大きいという特徴があります。
INFJのキャラクターは人類の幸せのために手段を選ばず理想に向かって突き進むことがあり、その際は思考型(T)と誤解されることも多い印象です。
そのカリスマ性は作品内だけに留まらずファンにも影響を与えることも多く、強い個性と相まってINFJのキャラクターはとても人気の出る傾向にあると言えるでしょう。
INFJの発達障害の傾向
INFJは心理機能の観点で言えばADHDとASD両方の特徴と合致する部分を少しずつ持っていると考えられ、合併していることも多い印象です。
特に劣等機能に外向的感覚(Se)を持っているため、日常生活や目の前の物事への対応が不器用な不注意優勢タイプのADHDの特性が出やすいでしょう。
実際にADHDを対象としたMBTIにおけるタイプ別のネット上での統計の結果を見ても、INFJは比較的ADHDの診断を受けていることが多いパーソナリティーであるということが分かります。
これらを踏まえてINFJのADHD・ASDの表れ方について解説をしていきます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
INFJはADHDの傾向がそれなりに出やすいタイプと言われています。中でも不注意優勢型の特性を持っている傾向が強いと考えられます。
そのためINFJの子供時代はどこかボーッとしていることが多い大人しい子供だった人も多いのではないでしょうか。
INFJは優勢機能に内向的直感(Ni)を持っているため、抽象的な物事の繋がりを発見して未来のイメージに収束させることに優れています。 反面、目の前の出来事に対して注意が向きづらいといった特徴も持っているため、INFJはADHDの特性の一つである不注意と合致する特徴を有していると判断される可能性があるでしょう。
ただしINFJは計画性や物事をやり遂げる能力は比較的ある方なので、不注意優勢型の中でもうっかりミスが多いなどの限定的な特徴のみが見受けられる傾向があると考えられます。
そのためINFJは医師に自分の症状を上手く伝えることができなければ、特性が出ていたとしてもADHDと明確に診断されないことも多いと思われるので注意が必要です。
ASD(自閉症スペクトラム)/アスペルガー症候群
INFJの場合ADHDに併発する形でASDの傾向が出ていることが多いと考えられます。ただしASDの特徴はそれほど強く出ていない傾向があるでしょう。
というのも、心理機能の観点で見るとINFJの場合外向的感情(Fe)を補助機能に持っているため、ASDの大きな特徴である共感能力の欠如や情緒的な事柄が苦手という点において合致していないとも考えられるのです。
しかし内向的直感(Ni)の影響で独特な価値観を持ちやすく、興味や関心が限定しやすくて手段を選ばないときがあるという点では、ASDの特徴と合致する部分もあると言えます。
ただ内向的直感(Ni)は想像力と関係性のある心理機能であるため、INFJの場合はASDの典型的な特徴として挙げられる概念的な想像力の欠如は見受けられないことが多いでしょう。
余談ですが、INFJのキャラクターで挙げたワットソン(Apex Leghends)は公式で自閉症スペクトラムの設定があったりします。
発達障害とMBTIについての小話
このようにMBTIの観点で発達障害(ASD、ADHD)を考えると、発達障害の特性とはそのタイプが持つ心理機能の特徴であるという考え方もできます。
各タイプごとに発達障害傾向が出やすいかどうかの差がありますが、MBTIの世界ではそれぞれのタイプと心理機能に優劣はないとされています。
つまり、発達障害とは一部の心理機能や組み合わせが社会が変化していく中で相対的に不利に作用するようになったことにより作り出された障害とも考えられるのです。
また一つの傾向としてN型(直感型)の人は想像力や拡散的思考が得意な傾向がある反面、どこか地に足が着いていないことが多く、ADHDと合致した特性が出やすいとされています。
その理由としては社会の中でN型(直感型)の人の割合が25%なのに対して、S型(感覚型)の人の割合が75%という大きなシェアを持っていることが挙げられます。
これほど差があると社会そのものが多数派であるS型にとって有利な形に発展しやすいということは想像に難しくありません。
そして、そのような発展を遂げた社会ではN型の特性が多数派から異質に見えたり生活に適さないことが多くなるのです。
その結果N型の人々は社会不適応を起こしやすく、その不適応を起こしている人々には皆似たような特徴(N型の特徴)を持っていると認知されたことで、ADHDという障害名を付けられることになったと考えることもできます。
ここでは一例としてN型のADHDについて例を出しましたが、もちろんS型の人の中にも別の理由で社会に対して生きづらさを抱えている方やN型だけどADHDじゃないという方も大勢いると思います。
MBTIを通して考えると発達障害者の特性は単純に他者より劣っている部分という性質だけではなく、本来ならば優劣のない個性の一つだったと捉えることもできるということがなんとなく伝わったかと思います。
皆様の中に発達障害の特性で困っているという方がいたら、MBTIなどの別の視点から「理由」を探して客観的に自己を見つめ直すことを検討することをぜひ検討してみてください。
もちろんここで紹介したタイプの特徴と発達障害傾向の関連性が必ずしも当てはまるとは言えませんが、自分の特性の大枠を捉えることで心の健康を保ったり前に進むための手立てになるかもしれません。
これからも少しでも皆様の個性的な生活の一助になれるような、生きづらさ×MBTIの記事を多数投稿していく予定ですのでよろしくお願いします。