ISFJの性格・特徴
ISFJは周囲の人々の様子をよく観察しており、皆が気持ちよく過ごせるための配慮を欠かさず、自分よりも相手の気持ちを大切にする守護者タイプです。感覚が鋭く過去に経験したことをしっかりと覚えているので、同じ失敗を何度も繰り返すようなことはなく、決められたルールを守りながら組織内で自分がやるべきことをきちんとこなす責任感の強さと保守的な性質を持っています。
ISFJは内向的な特性が強いタイプで、穏やかで優しく感情的になることも少ないため、一緒にいて安心するような癒し系の雰囲気を纏っています。
しかしISFJは過去に実際に体験した記憶によって作り上げられた強い芯を持っていおり、表面には現れづらいですが頑固な一面も持ち合わせています。
ISFJは過去の様々な体験を記録した自分流のデータベースを保有しており、日常生活を送ったり仕事をする際にそれらを大いに役立てています。そのためISFJは過去の経験を参照しやすい物事を好み、ルーティンやコツコツ行う作業をしていると安心し心地よいと感じるでしょう。
責任感が強く手先も器用な傾向にあるため、実務的で根気の必要な業務でも丁寧にやり遂げる忍耐力を備えています。反面、ISFJは自分が体験したことのない革新的なことや新しいことに対しては非常に強い警戒心を抱くため、なかなか最初の一歩を踏み出すことができない傾向にあると言えます。
また、事実よりもアイデアを重視される状況や抽象的な議題は苦手としており、本来の力を発揮できなくなってしまいます。
他者に対して誠実で優しいISFJは人の役に立つことが大好きです。人間関係は狭くなりがちですが、その分深い関係を作ることが得意で身の周りにいる人をとても大切にするという特徴があり、家族や友人、恋人などの身近な人々に対して献身的で愛情深い接し方をします。
余程のことがない限り他者に対して否定的な態度を取らないISFJは多くの人々から頼りにされ愛されますが、時折周囲の人々の気持ちを尊重し過ぎて流されてしまうこともあるでしょう。ただし、ISFJは自身の持つ倫理観から大きく外れている行いに対しては怒りを顕にする強さも兼ね備えているため、流されやすくはありますが、一線を越えない防御力の高さを持っていると言えます。
真面目で安定を好み派手な遊びなどが苦手で地に足ついているISFJはとても家庭的で、良き妻、夫になるタイプです。完璧主義でこだわりの強い一面があり、仕事だけではなく金銭管理や家事、家族サービスなども納得するまでしっかりとやり遂げるため、パートナーや職場からは頼りにされる傾向があるでしょう。
安定を求めるISFJは試行錯誤しながら問題解決の糸口を探っていくような、無秩序で先の見えづらい、自由過ぎる環境に身を置くと不安感に押し潰されてしまうかもしれません。
そのような環境などでストレスを受け過ぎると元々の内向的な性質に拍車がかかり、今までの経験やストレスのかかった体験などについて何度も分析を繰り返すようになります。
その結果気持ちがどんどん内向きになり、本来持っている他者への興味や周囲を観察する能力などが上手く発揮されなくなってしまうことがあるでしょう。
ISFJの心理機能
心理機能とは
ユングが定めた意思判断、
情報受容のための8つの機能のことを心理機能と呼びます。
意思判断のための機能が「感情(F)」と「思考(T)」、 情報受容のための機能が「直感(N)」と「感覚(S)」 と定義されており、 それぞれ内向と外向の2種類ずつが存在し合計8種類となっていま す。MBTIやタイプ論では、 それらの心理機能をどのような組み合わせで持っているかでタイプ 分けをしています。各タイプは「感情(F)」「思考(T)」「直感(N)」「感覚(S)」 の心理機能を得意な順に4つ有していて、 4つの順番には得意な順に「優勢機能」、「補助機能」、「 代替機能」、「劣等機能」と名付けられています。また、「 優勢機能」と「劣等機能」、「補助機能」と「代替機能」 はそれぞれ正反対の心理機能がセットになると定義されています。
優勢機能が内向的◯◯であるタイプは始めに「I(introverted)」が付く内向型で、 逆に優勢機能が外交的◯◯であるタイプは始めに「E( extrovert)」の付く外向型になります。
ISFJは優勢機能に情報受容機能の役割を担う内向的感覚(Si)を持っており、補助機能以降は外向的感情(Fe)、内向的思考(Ti)、外交的直感(Ne)、という順に心理機能を有しています。
- 優勢機能・・・内向的感覚(Si)
- 補助機能・・・外交的感情(Fe)
- 代替機能・・・内向的思考(Ti)
- 劣等機能・・・外交的直観(Ne)
ISFJの心理機能について更に詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
ISFJのキャラクター
https://gigazine.net
- 間桐桜(Fate)
- タケシ(ポケットモンスター)
- クリリン(ドラゴンボール)
- 日向ヒナタ(NARUTO)
- レム(Re:ゼロから始める異世界生活)
- マサオくん(クレヨンしんちゃん)
- メジロライアン(ウマ娘)
全体的に常識的で人当たりがよく優しい印象のキャラクターがイメージできますね。ISFJのキャラクターは純粋な悪役として登場することが少なく、どちらかと言うと善人が多いです。作品内では他の癖の強いキャラクターに振り回されたり、主人公や仲間を優しく支えるヒロインの役割を担っている傾向にあります。
ISFJの発達障害の傾向と関連性
タイプの日本における比率
INTJ 1.88%
日本版MBTIマニュアル
INFJ 2.07%
ENTJ 3.22%
ISTP 3.60%
ENFJ 3.66%
INTP 4.09%
INFP 4.68%
ISFP 5.14%
ESTP 6.48%
ESFP 6.90%
ENTP 7.86%
ISFJ 8.08%
ISTJ 8.28%
ENFP 10.08%
ESTJ 11.84%
ESFJ 12.15%
ISFJは基本的には心理機能の観点から言えば発達障害の傾向を持つことは少ないタイプだと言えます。
強いてあげるとすればISFJの優勢機能である内向的感覚(Si)の特徴がASD(自閉症スペクトラム)の特徴と合致する部分が多いという点はあります。ルーティンを好み変化を嫌う性質や感覚に敏感な傾向、真面目にコツコツと最後までやり遂げる性質などです。
しかし、実はこれらの特徴は上の表で示されているように日本国内のMBTIタイプの約40%を占有する「SJ型」が持つ性質であり、言うなれば日本国内の多数派が持つ性質と考えられます。そのため、一般的な社会生活を送る上でそれらの特徴は有利に機能することも多いでしょう。
加えてISFJは補助機能に外向的感情(Fe)を有しているため、ASDの典型的な特徴である共感力の欠如や他者への興味関心の薄さなどの特徴が表れづらいと考えられます。
これらを踏まえてISFJのADHD・ASDの表れ方について解説をしていきます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
ISFJは優勢機能に内向的感覚(Si)を持っているため、マネジメント能力や飽きずに物事を遂行する力、様々な危機管理能力などの「しっかり者」らしい能力が秀でているでしょう。これらの能力はADHDが苦手としている要素であるため、心理機能の観点から考えるとISFJがADHDの傾向を強く持っていることは稀だと思われます。
あるとすればISFJの劣等機能である外交的直観(Ne)が、ストレスや社会的な必要性に迫られて暴走しているなどの可能性があるかもしれません。
ASD(自閉症スペクトラム)/アスペルガー症候群
ISFJがASDの性質を持っている場合、優勢機能である内向的感覚(Si)が機能し過ぎていることで様々なことに融通が利かなくなっている可能性が考えられます。
具体的に言うと、相手の感情の読み取りや共感などのほとんどの社会的なやり取りには問題がないにも、ルーティンや儀式的な行動に固執し過ぎている点が問題として表れているASD、という像が思い浮かびます。
タイプとしては優しく従順な受動型の特徴が表れやすい印象があります。
発達障害とMBTIについての小話
このようにMBTIの観点で発達障害(ASD、ADHD)を考えると、発達障害の特性とはそのタイプが持つ心理機能の特徴であるという考え方もできます。
各タイプごとに発達障害傾向が出やすいかどうかの差がありますが、MBTIの世界ではそれぞれのタイプと心理機能に優劣はないとされています。
つまり、発達障害とは一部の心理機能や組み合わせが社会が変化していく中で相対的に不利に作用するようになったことにより作り出された障害とも考えられるのです。
また一つの傾向としてN型(直感型)の人は想像力や拡散的思考が得意な傾向がある反面、どこか地に足が着いていないことが多く、ADHDと合致した特性が出やすいとされています。
その理由としては社会の中でN型(直感型)の人の割合が25%なのに対して、S型(感覚型)の人の割合が75%という大きなシェアを持っていることが挙げられます。
これほど差があると社会そのものが多数派であるS型にとって有利な形に発展しやすいということは想像に難しくありません。
そして、そのような発展を遂げた社会ではN型の特性が多数派から異質に見えたり生活に適さないことが多くなるのです。
その結果N型の人々は社会不適応を起こしやすく、その不適応を起こしている人々には皆似たような特徴(N型の特徴)を持っていると認知されたことで、ADHDという障害名を付けられることになったと考えることもできます。
ここでは一例としてN型のADHDについて例を出しましたが、もちろんS型の人の中にも別の理由で社会に対して生きづらさを抱えている方やN型だけどADHDじゃないという方も大勢いると思います。
MBTIを通して考えると発達障害者の特性は単純に他者より劣っている部分という性質だけではなく、本来ならば優劣のない個性の一つだったと捉えることもできるということがなんとなく伝わったかと思います。
皆様の中に発達障害の特性で困っているという方がいたら、MBTIなどの別の視点から「理由」を探して客観的に自己を見つめ直すことを検討することをぜひ検討してみてください。
もちろんここで紹介したタイプの特徴と発達障害傾向の関連性が必ずしも当てはまるとは言えませんが、自分の特性の大枠を捉えることで心の健康を保ったり前に進むための手立てになるかもしれません。
これからも少しでも皆様の個性的な生活の一助になれるような、生きづらさ×MBTIの記事を多数投稿していく予定ですのでよろしくお願いします。