ENTJの性格・特徴
ENTJは明確なビジョンを基に計画を打ち立て、それを達成するために合理的に行動する司令官タイプです。論理的思考と実行力に優れ、尚且つ視野が広いため大局を見据えた戦略を考えて、集団をまとめあげることを得意としています。
また、責任感が強くやると決めたことを最後までやり遂げる遂行力の高さを持っているのでENTJが指導者になると周囲の人々から尊敬され、頼りになるリーダーと評されることになるでしょう。
ENTJは外交な性質を持っていて、他者とコミュニケーションを取ることも得意です。好奇心旺盛で抽象的な理論やファンタジーのような夢のある話にも積極的に興味を持つ傾向にあるため話してみると、第一印象の威圧感を漂わせがちな雰囲気とはギャップを感じることもあるでしょう。
またENTJは存在感があるため、大勢の中で話していても何故か自然とその場の中心になって場を支配しているということがよくあるでしょう。
しかしENTJは外向型ながら個人主義的な一面も持っており、一人独立して物事を進めることも好む傾向にあります。また能率をとても気にするため、仕事や作業を他者と共同で進める場合には速度が遅い人や能力が足りない人に対してフラストレーションを感じやすいです。
論理を重んじ完璧を求めるENTJは、創意工夫に富んだ方法で自分の見出だした理想に向かって計画的に突き進みます。また、物事や他者だけではなく自分自身に対しても非常にストイックで成長し続けたいという思いが強いため、精力的に活動しながらも知識の吸収を欠かさない努力家です。
ENTJは論理的に物事を考えることが得意な反面、感情に配慮することを苦手としています。そのため周囲から冷たい人だと思われたり、独善的だと思われてしまうことも多いです。
しかしENTJ本人には悪気がないことが多く、あくまでも論理的に最も効率のよいやり方を選んだ結果そのような行動をしているという場合がほとんどです。
ENTJは若いうちから自分の優れた能力を自覚していて、それらをどう扱うことが最善で何を成し遂げられるかを理解し、自分に自信を持っている傾向があります。
ただし、それらの能力が最も上手く機能するようになるのはENTJ自身が決定権を持てる環境に身を置いたときであり、若いうちはその非凡な能力を十分に発揮できる機会が乏しいと言えるでしょう。
そのため例えば新人として採用された会社では、優れた能力ゆえに可愛げがなく生意気だと評されることも多いです。そういった場合にENTJは能力に対する適正な評価をされていないと感じ、その組織に不信感を抱き過度に批判的になってしまうことがあるので注意が必要です。
ENTJの心理機能
心理機能とは
ユングが定めた意思判断、
情報受容のための8つの機能のことを心理機能と呼びます。
意思判断のための機能が「感情(F)」と「思考(T)」、 情報受容のための機能が「直感(N)」と「感覚(S)」 と定義されており、 それぞれ内向と外向の2種類ずつが存在し合計8種類となっていま す。MBTIやタイプ論では、 それらの心理機能をどのような組み合わせで持っているかでタイプ 分けをしています。各タイプは「感情(F)」「思考(T)」「直感(N)」「感覚(S)」 の心理機能を得意な順に4つ有していて、 4つの順番には得意な順に「優勢機能」、「補助機能」、「 代替機能」、「劣等機能」と名付けられています。また、「 優勢機能」と「劣等機能」、「補助機能」と「代替機能」 はそれぞれ正反対の心理機能がセットになると定義されています。
優勢機能が内向的◯◯であるタイプは始めに「I(introverted)」が付く内向型で、 逆に優勢機能が外交的◯◯であるタイプは始めに「E( extrovert)」の付く外向型になります。
ENTJは優勢機能に判断機能の役割を担う外向的思考(Te)を持っており、補助機能以降は内向的直感(Ni)、外向的感覚(Se)、内向的感情(Fi)、という順に心理機能を有しています。
- 優勢機能・・・外交的思考(Te)
- 補助機能・・・内向的直観(Ni)
- 代替機能・・・外交的感覚(Se)
- 劣等機能・・・内向的感情(Fi)
ENTJの心理機能について更に詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
ENTJのキャラクター
http://jojo-animation.com/sc/contents/story/47.html
- DIO(ジョジョの奇妙な冒険)
- サカキ(ポケットモンスター)
- ロイ・マスタング(鋼の錬金術師)
- 範馬勇次郎(グラップラー刃牙)
- アーチャー/ギルガメッシュ(Fate)
- フリーザ(ドラゴンボール)
- 涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ)
- エアグルーヴ(ウマ娘)
挙げられたキャラクターを見るとラスボス適正が非常に高いのが一目で分かると思います。
これは基本的にENTJがフィクションにおいて完成された人物として描かれることが多く、成長を重視する主人公タイプの対となる存在の役割を担うことが多いからだと考えられます。
実力とカリスマ性を備えているため、魅力的な悪役や実力者としてファンから人気が出ることも多いでしょう。
ENTJの発達障害の傾向と関連性
ADHDを対象としたMBTIにおけるタイプ別のネット上での統計の結果を参照すると、ENTJは少なくともADHDの特性が表れづらいタイプだと言えます。
ENTJの場合はADHDよりも発達障害の中だとASDの特性が表れやすいタイプだと思います。
これらを踏まえてENTJのADHD・ASDの表れ方について解説をしていきます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
ENTJは内向的直感(Ni)というADHDの特性と合致する点が多い心理機能を補助機能に持っていますが、実際のところはそれほど強くADHDの特性が出るタイプではないでしょう。
そのため、ADHDの特徴があるとしてもASDに併発しているケースがほとんどだと思われます。
というのもENTJは目標を達成することを重視するという特徴を持っていてADHDの特徴である実行機能の弱さや先延ばし癖などが表れるケースは稀かもしれません。
しかし抽象的に物事を結びつける性質や想像力が強すぎると、ADHDの不注意特性などが表れることもあると考えられるでしょう。
ASD(自閉症スペクトラム)/アスペルガー症候群
ENTJはASDの中でも積極奇異型の特徴を持っている傾向があるタイプです。
ENTJは優勢機能に外向的思考(Te)を持っているため合理的思考や行動力に優れていますが、その反面人の気持ちに配慮することは得意としていないことが多く、これらの特徴はASDの特徴と合致する部分があります。
また内向的直感(Ni)には独特な価値観を持つことや計画への執着などにも関連するため、これに関しても一部はASDの特徴と合致する点もあると言えるでしょう。
しかし内向的直感(Ni)を補助機能に持っているため、ENTJの場合はASDの典型的な特徴として挙げられる想像力の欠如が見受けられないケースが多いと考えられます。
発達障害とMBTIについての小話
このようにMBTIの観点で発達障害(ASD、ADHD)を考えると、発達障害の特性とはそのタイプが持つ心理機能の特徴であるという考え方もできます。
各タイプごとに発達障害傾向が出やすいかどうかの差がありますが、MBTIの世界ではそれぞれのタイプと心理機能に優劣はないとされています。
つまり、発達障害とは一部の心理機能や組み合わせが社会が変化していく中で相対的に不利に作用するようになったことにより作り出された障害とも考えられるのです。
また一つの傾向としてN型(直感型)の人は想像力や拡散的思考が得意な傾向がある反面、どこか地に足が着いていないことが多く、ADHDと合致した特性が出やすいとされています。
その理由としては社会の中でN型(直感型)の人の割合が25%なのに対して、S型(感覚型)の人の割合が75%という大きなシェアを持っていることが挙げられます。
これほど差があると社会そのものが多数派であるS型にとって有利な形に発展しやすいということは想像に難しくありません。
そして、そのような発展を遂げた社会ではN型の特性が多数派から異質に見えたり生活に適さないことが多くなるのです。
その結果N型の人々は社会不適応を起こしやすく、その不適応を起こしている人々には皆似たような特徴(N型の特徴)を持っていると認知されたことで、ADHDという障害名を付けられることになったと考えることもできます。
ここでは一例としてN型のADHDについて例を出しましたが、もちろんS型の人の中にも別の理由で社会に対して生きづらさを抱えている方やN型だけどADHDじゃないという方も大勢いると思います。
MBTIを通して考えると発達障害者の特性は単純に他者より劣っている部分という性質だけではなく、本来ならば優劣のない個性の一つだったと捉えることもできるということがなんとなく伝わったかと思います。
皆様の中に発達障害の特性で困っているという方がいたら、MBTIなどの別の視点から「理由」を探して客観的に自己を見つめ直すことを検討することをぜひ検討してみてください。
もちろんここで紹介したタイプの特徴と発達障害傾向の関連性が必ずしも当てはまるとは言えませんが、自分の特性の大枠を捉えることで心の健康を保ったり前に進むための手立てになるかもしれません。
これからも少しでも皆様の個性的な生活の一助になれるような、生きづらさ×MBTIの記事を多数投稿していく予定ですのでよろしくお願いします。
