INFPの性格・特徴
INFPは感受性が高く、自分の世界をしっかりと持っている心理学者タイプです。物事の可能性を考えたり、インスピレーションを受けて独自の発想を作り出すことができるという特徴を持っています。
またINFPは内向的で自己主張が苦手な傾向があり優しく控えめな印象を与えますが、内側には確固とした一貫性のある個人的な価値観を持っているためその本質はとても自律的で、じっくりと内省する孤独な時間を必要としているタイプです。
自分の世界に入り込みやすく、空想に耽り心ここにあらずの状態になることもしばしばあります。自分の内側に特に意識が向かいやすいため、反対に自分の外側への意識はあまり強く働かずデスクの上や自分の部屋が散らかっている傾向にあります。実務的なことやルーティン作業、慣習的で革新性がないことに対してはつまらないと感じやすくあまり興味が持てないかもしれません。
自分の価値観を何よりも大事にしているINFPですが、その価値観は現実的というよりはどこか抽象的で壮大であったり浮世離れしたものになりやすく、理想主義の気質を持っていると言えます。INFPはとても思いやりがあり思慮深いタイプで自分以外の人々の価値観も自分の価値観と同じように大切に扱うことができるため、様々な考え方を認める高い受容性を持っています。
ただしINFPの誠実さや正義感とは真逆の非倫理的な行為や思想に対しては、断固として譲らない静かな情熱と頑固さを覗かせるでしょう。また自分の感情を適切に把握してコントロールすることも得意です。
想像力豊かで外の世界からたくさんのインスピレーションを受け取るINFPは絵や文学などの芸術分野に関心を持っていることが多く、創造的な知的活動を通して自分を表現しようと試みます。また息を吸うように可能性を基にした空想をしているため頭の中は新しいアイデアで満ち溢れています。
常識に囚われない自由な発想力やエキセントリックな思考回路、新しいことにチャレンジしようとする開放的なマインドを持ち合わせており、それらはINFPの芯のある価値観を更に洗練させてくれるでしょう。
INFPにとって宇宙の謎や未知の世界などは非常に興味深いテーマでありそれらについて考えて調べたり、実際に秘密を解き明かした際どのように感じるかを空想することなどで哲学的に自分の価値観を深めていきます。
INFPは外界に対して強く働きかけることや一方的に考え方や在り方、現実を押し付けられるような状況では多様性を尊重し合えず、自身の価値観に反する状態となるため、理想と現実のギャップを感じストレスをためてしまいます。そのような状態でいると自分の殻に引きこもり、過去に体験したネガティブな体験や感覚を想起し、持ち前の柔軟で開放的な発想力が角に追いやられてしまいます。
INFPは繊細で誤解されやすいタイプなので過去のトラウマの数も多かったり強烈である傾向があります。そのため立ち直るのにはしばらく時間がかかるかもしれません。
INFPは大器晩成型の性格をしているため、今現在の自分が理想に追い付いていなくても時間が経つにつれて人生が好転していくタイプが多い傾向にあります。
INFPの心理機能
心理機能とは
ユングが定めた意思判断、
情報受容のための8つの機能のことを心理機能と呼びます。
意思判断のための機能が「感情(F)」と「思考(T)」、 情報受容のための機能が「直感(N)」と「感覚(S)」 と定義されており、 それぞれ内向と外向の2種類ずつが存在し合計8種類となっていま す。MBTIやタイプ論では、 それらの心理機能をどのような組み合わせで持っているかでタイプ 分けをしています。各タイプは「感情(F)」「思考(T)」「直感(N)」「感覚(S)」 の心理機能を得意な順に4つ有していて、 4つの順番には得意な順に「優勢機能」、「補助機能」、「 代替機能」、「劣等機能」と名付けられています。また、「 優勢機能」と「劣等機能」、「補助機能」と「代替機能」 はそれぞれ正反対の心理機能がセットになると定義されています。
優勢機能が内向的◯◯であるタイプは始めに「I(introverted)」が付く内向型で、 逆に優勢機能が外交的◯◯であるタイプは始めに「E( extrovert)」の付く外向型になります。
INFPは優勢機能に判断機能の役割を担う内向的感情(Fi)を持っており、補助機能以降は外向的直感(Ne)、内向的感覚(Si)、外交的思考(Te)、という順に心理機能を有しています。
- 優勢機能・・・内向的感情(Fi)
- 補助機能・・・外交的直観(Ne)
- 代替機能・・・内向的感覚(Si)
- 劣等機能・・・外交的思考(Te)
INFPの心理機能について更に詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。
INFPのキャラクター
https://u-anime.net
- 鹿目まどか(魔法少女まどかマギカ)
- キラヤマト(機動戦士ガンダムSEED)
- ロクサス(キングダムハーツ)
- 碇シンジ(新世紀エヴァンゲリオン)
- 野比のび太(ドラえもん)
- 金木研(東京喰種)
- ライスシャワー(ウマ娘)
ほんの一例ですが、主役クラスのキャラクターが多数挙げられるのが分かります。全体的な傾向として普段は穏やかで心優しくどこか弱々しい性格をしていても、やるべきときには覚醒するキャラや自分の信念を持って困難に立ち向かい成長していく大器晩成型のキャラが多いですね。
独自の価値観や繊細さを持っているため、ファンから人気が出ることも多いと思われます。
INFPの発達障害の傾向と関連性
発達障害の中でもADHDの特徴とINFPの特徴は一致する箇所が多く、実際にADHDを対象としたMBTIにおけるタイプ別のネット上での統計の結果ではINFPが断トツで高い割合を占めていました。
個人的にINFPは全タイプの中で最も生きづらさを抱えやすい性格をしていると思っていて、生きづらさの理由の一部に発達障害が由来している可能性もあると考察できるこの結果は腑に落ちる内容でした。
これらの結果も踏まえてINFPの心理機能や特徴からADHDとASD/アスペルガーとの関連性を考察していきます。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
INFPは他タイプと比べてADHDを持っている可能性が高いとされています。INFPは内向型で活発なタイプではなく、優れた想像力から空想の世界に入り込みやすいという特徴を持っているため、ADHDの中でも不注意優勢型の特性を持っている傾向が特に強いと考えられます。
そのためINFPのADHDの人は子供時代は授業中じっと座ってられず走り回る子供というよりも、ボーッとしていて忘れ物や聞き逃しなどが多い子供だったケースが多いのではないでしょうか。
ただし、多動・衝動の性質も全くないわけではなく、手遊びが多かったり立っているときにゆらゆらと揺れているなどの軽度な特性が表れていることも多々あると思われます。
INFPは優勢機能に内向的感情(Fi)と補助機能に外向的直感(Ne)を持っているため空想の世界に入り込みやすく、ちょっとしたことからでもインスピレーションを受ける性質も相まってADHDの症状に当てはまりやすいのだと考えられます。特に外向的直感(Ne)の特徴はADHDの特徴と合致した部分が非常に多いのもポイントです。
以下の記事ではINFPとADHDについて深く考察しています。
様々な理由や相関性を分析したものになっているため少し長い記事になっていますが、読むことで知りたいことや違和感がスッキリするような内容となっているので、ぜひ確認していただけたら幸いです。
ASD(自閉症スペクトラム)/アスペルガー症候群
INFPの場合ASDはADHDに合併する形で特性を持っていることがある印象です。タイプとしては穏やかな受動型が多いと思われます。
INFPはASDとそれほど親和性の高い心理機能を持っていないのですが、優勢機能である内向的感情(Fi)の特徴が色濃く出ると独自の倫理観が先鋭化しやすく物事に対して白黒思考になりがちなため、結果としてASDの特徴が現れることもあると考えられます。
またINFPは内向型で自分の内面に意識が向きやすいことも自閉的なASDの特徴が出やすい要素の一つと言えるでしょう。
ただINFPの場合、ASDの典型的な特徴として挙げられる想像力の欠如や文脈の読めなさ、共感力の欠如、自意識の欠如などは見受けられないことが多いでしょう。
発達障害とMBTIについての小話
このようにMBTIの観点で発達障害(ASD、ADHD)を考えると、発達障害の特性とはそのタイプが持つ心理機能の特徴であるという考え方もできます。
各タイプごとに発達障害傾向が出やすいかどうかの差がありますが、MBTIの世界ではそれぞれのタイプと心理機能に優劣はないとされています。
つまり、発達障害とは一部の心理機能や組み合わせが社会が変化していく中で相対的に不利に作用するようになったことにより作り出された障害とも考えられるのです。
また一つの傾向としてN型(直感型)の人は想像力や拡散的思考が得意な傾向がある反面、どこか地に足が着いていないことが多く、ADHDと合致した特性が出やすいとされています。
その理由としては社会の中でN型(直感型)の人の割合が25%なのに対して、S型(感覚型)の人の割合が75%という大きなシェアを持っていることが挙げられます。
これほど差があると社会そのものが多数派であるS型にとって有利な形に発展しやすいということは想像に難しくありません。
そして、そのような発展を遂げた社会ではN型の特性が多数派から異質に見えたり生活に適さないことが多くなるのです。
その結果N型の人々は社会不適応を起こしやすく、その不適応を起こしている人々には皆似たような特徴(N型の特徴)を持っていると認知されたことで、ADHDという障害名を付けられることになったと考えることもできます。
ここでは一例としてN型のADHDについて例を出しましたが、もちろんS型の人の中にも別の理由で社会に対して生きづらさを抱えている方やN型だけどADHDじゃないという方も大勢いると思います。
MBTIを通して考えると発達障害者の特性は単純に他者より劣っている部分という性質だけではなく、本来ならば優劣のない個性の一つだったと捉えることもできるということがなんとなく伝わったかと思います。
皆様の中に発達障害の特性で困っているという方がいたら、MBTIなどの別の視点から「理由」を探して客観的に自己を見つめ直すことを検討することをぜひ検討してみてください。
もちろんここで紹介したタイプの特徴と発達障害傾向の関連性が必ずしも当てはまるとは言えませんが、自分の特性の大枠を捉えることで心の健康を保ったり前に進むための手立てになるかもしれません。
これからも少しでも皆様の個性的な生活の一助になれるような、生きづらさ×MBTIの記事を多数投稿していく予定ですのでよろしくお願いします。